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新漫画・ガスの話 別冊 「マスク・フィルターの科学」P

水分子による微粒子のブラウン運動は、「花粉」の中のデンプンの微粒子で見られます。けっして「花粉が動く」ということはありません。普通の花粉は50マイクロメートルくらいあるので、水分子の運動では動かすことができません。「花粉が動くのが見える」と書いている本はフェイクなので気を付けて下さい。
空気の分子によって空気中の微粒子もブラウン運動します。
ヒトの呼気に含まれるウィルスや細菌は、飛沫(水滴)に包まれた大きなものと飛沫がなくウィルス単独のものがあります。飛沫は5マイクロメートルくらいあるため、比較的近距離で床に落下します。ウィルス単独の場合は「飛沫核」と呼びエアロゾル感染(空気感染)と呼ばれます。飛沫核は非常に小さく、空気中に長時間漂って落ちてきません。

マスクとしては、大きな飛沫と小さな飛沫核の両方を捕集しなければ効果を発揮できませんが、大きな粒子はさえぎり効果、重力効果、慣性効果で捕集され、小さな粒子はブラウン運動による拡散の効果で捕集されます。
これらの効果を合わせると大きな粒子と小さな粒子の両方で捕集効率が高く、中間では低くなる傾向があります。これは基本的な仕組みであって実際のマスクは、繊維の構造や材質、飛沫や飛沫核の量、空気の速度などさまざな要因で決まるため「実測」による性能評価が必要です。