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別冊 「マスク・フィルターの科学」I

空気の分子は約0.5ナノメートル、新型コロナウィルスの大きさは約0.2マイクロメートル(200ナノメートル)。400倍くらい大きさが異なります。分子一個ずつは無理でもウィルスより少し小さな穴であれば空気を通してウィルスを遮断できると考えてしまいそうです。
しかし空気の分子の数はものすごく多いことが分かっており集団で運動しています。高校の理科で習うアボガドロ定数を使うと、0℃、大気圧のガス1モル、22.4リットルの中には6×10の23乗個というとてつもなく多くの分子があります。ものすごく小さな分子ですが、ものすごく多い状態だと押し合いへし合い、つながったように振る舞います。私たちが水や空気を感じる時、分子ひとつずつをバラバラに感じることはありません。水や空気は連続した物体として振る舞っています。
私たちの周りの空気は流体として振る舞うため、フィルターの隙間はそれなりに大きなものでなければ十分な空気は流れません。ウィルスくらい小さな隙間のフィルターを作ったとしたら、ほとんど空気は流れず息を吸ったり吐いたりできません。
フィルターは繊維ででできていますが、その隙間はかなり大きくなければ十分な空気は流れません。マスクは篩と同じ仕組みだけではゴミやウィルスを除去することができません。