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新・漫画ガスの話 224
作成日2021/03/03 更新日2022/05/16 コメント2023/01/28

23 ガスの化学/同位体の話 原子、原子核、核種

同位体の話をするために、原子と原子核の基本を復習します。
同位体は中学校の理科で習います。

原子と原子核は大きさが1万倍も違います。小さな原子のそのまた中心にあるとてつもなく小さな原子核の中には元素の性質を決める核子が詰まっています。ラザフォードらが原子核を発見した時、まだ原子・分子の存在は科学的に証明されていませんでした。物質の根源である元素は、おそらく「原子」という粒子からできているだろうとの予測のもと、物質に放射線をあててその散乱から原子の構造を調べようとして、ラザフォードらは原子の中身のほとんどが原子の中心にある非常に小さい原子核に詰まっていることを発見したのです。
連続しているように見える水や空気の実体が、とびとびの粒子である分子であることが確かめられたのは1913年のことです。世界はスカスカの真空(空間)の中にあるとびとびの分子であることも驚きですが、その原子の中身もスカスカ、中心にある原子核はものすごく小さいということが分かったのは、分子の発見の前のことでした。20世紀初頭は量子論と相対論という世界をひっくり返す大転換が起りましたが、同時に物質の世界は実はスカスカの真空中に漂うものすごく小さな粒子からできているという衝撃的な発見から始まりました。
化学の分野では元素記号で原子を表現しますが、物理学の分野ではこれでは足りなくなりました。元素記号の左上に質量数を書く決まりがあります。左下には原子核の陽子数=原子番号を書くのですが、一般的には元素記号で分かるので場合によっては書かないこともあります。印刷の都合で上付き添え字や下付き添え字がうまく書けないことがあるので注意が必要です。たとえば二酸化炭素はCO2などと書きますが同位体の質量数は省略方法が決まっていません。

118種類の元素のうち92番までは自然界(地球上)に存在し、それより大きな原子番号の元素は人工の元素です。元素は100種もないのに核種は3400種もあります。
核種は放射線を出さない「安定同位体」と放射線を出して崩壊する「放射性同位体」がありますが、崩壊せずに放射線を出す「核異性体」もあり、一般的に「放射性物質」と呼ばれているのは放射性同位体と核異性体です。