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新・漫画ガスの話 223
作成日2021/03/03 更新日2022/05/16 コメント2023/01/28

23章 ガスの化学/同位体の話 RIとSI

Isotopeが発見されて約100年たちます。
元素(element)とは、化学的に同じ性質を持つ物質の総称であり化学元素とも呼ばれます。メンデレーエフが考えた元素周期律と周期表は今の化学の基本になっています。
そして同じ元素の中には質量が異なる「原子」が含まれていることが分かったのは、ラザフォードらによる原子核の発見と同じ時です。ラザフォードはソディとともに「原子核」は崩壊するという大胆な理論を打ち立てますが、その時にソディが提唱したのがアイソトープの概念です。友人である医師のトッドの提案によって、周期表の同じ位置にある別の原子ということで「アイソトープ」と名付けられました。
アイソトープは日本語では「同位体」と訳されました。

ここで混乱をしないようにはっきりしておく必要があります。
〇元素(エレメント)→化学元素という概念、例えば酸素や炭素といった単体の総称です。元素は118種類発見されています。元素は化学の概念なので数えるものではありません。
〇原子(アトム)は元素を構成する実体、粒子のことを示しています。原子を組み合わせて作られるのが分子(モレキュール)です。原子や分子は実体なので数を数えることができます。
〇原子核(ニュークリアス)→原子の中心にある非常に小さな「核」です。原子のおよそ10万分の1大きさしかありません
〇同位体(アイソトープ)→原子核の中にある陽子の数が等しいものからできている原子が同じ元素の原子です。たとえば陽子の数が8個のものは全て酸素の同位体ということになります。

 同位体と元素をごちゃまぜにした表現をしばしばみかけます。同位体が発見された当初、放射線を発する能力、すなわち放射能を持つ元素はいくつかの元素に限られていたので放射能=放射性元素、というように考えられたことがあります。100年前の話です。
しかし放射能は元素の性質ではなく、核種(原子核の種類)によるものであることがすぐに分かりました。放射能を持たない安定同位体(SI)と放射能を持つ放射性同位体(RI)という区別がされるようになりました。したがって放射性同位元素とか安定洞元素という用語は誤りです。同位体の概念の中には「元素」の概念は含まれておらず、英語でもエレメントという言葉は同位体には含まれていません。

 ラジウムやウランのような原子番号の大きな元素には安定同位体が存在せず、全て放射性同位体というものがあります。キュリーなどが放射能を発見した時にはこのような放射能を持った「元素」というものが主な研究材料であったため、放射性同位体の概念と元素の概念が混同されたものと考えられます。
 今でも時々、日本語で、放射性同位体を放射性同位元素と記す書物を見かけることがありますが、「同位元素」という言葉は誤りなのでこの漫画では使わないことにします。

先に発見されたのは放射性同位体ですが、ラザフォードの先生であるJJトムソンがネオンの中に質量のことなる原子核を発見、安定同位体がそんざいすることが分かりました。自然界(地球上)には多くの安定同位体が存在し、そればプラウトの仮説からくる原子量が実測値と異なることを説明することになりました。
プラウトの仮説は、全ての原子が水素原子の整数倍の原子量を持つというものですが、実際に様々な元素の原子量を測ると、整数倍から外れています。酸素の質量数はおよそ16ですが、ちょうど16にならないのは地球上には質量数16、17、18の酸素同位体が混ざっており、多くが16なので、16に近いとなっているためです。