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新・漫画ガスの話 51
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作成日2020/10/25 更新日2022/04/06

Eガスの科学/温度の話 理想気体の状態方程式

絶対零度は究極の温度。「究極」とは、その先がないもの、到達が不可能な仮想の概念です。限りなく絶対零度に近い温度を人工的に作り出す研究は行われていて、観測された宇宙で最も低い温度よりも低い温度が達成されたことはあります。しかし、絶対真空がないのと同じように絶対零度も理論的には不可能な究極の温度です。しかし、ゼロを規定することによって科学的な温度を定義することが可能になります。
文学や小説に出てくる絶対零度は、永遠や無限と同じように概念だけの言葉です。科学的には現実のものではありません。
ボイルの法則で圧力、シャルルの法則で温度が定義され、アヴォガドロの法則でガスが分子の存在と占める空間の大きさが定義されました。これは、物質の種類によらない「理想気体」の性質で、それをひとつにまとめた式はクラペイロンによって示されました。
これはコンバインされた理想気体の状態方程式と呼ばれています。日本語で「ボイル・シャルルの法則」と呼ばれている数式はボイルの法則、シャルルの法則、アヴォガドロの法則を合わせ、アモントンの法則なども含んでいます。様々な法則を合わせてひとつの式にしています。
「ボイル・シャルルの法則」を検索しても日本語しか出てこないのは、これが日本だけで使われている言葉だからです。日本の理科教育、どこかおかしいです。

理想気体の状態方程式、とても重要な概念である理想気体を記述する、とても重要な式ですが、実際は「理想気体」は存在しません。理想の気体はガスのまま、液体にはならないので、ガス屋の仕事の大半は理想気体でなく実在気体の取り扱いが重要です。