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別冊 「マスク・フィルターの科学」F

1メートルの千分の1の長さが1ミリメートルです。綿ぼこりやダニの大きさは1ミリメートル以下です。
1ミリメートルの千分の1が1マイクロメートルです。ゴミや埃の大きさを表示する時に最も多く使用される単位がマイクロメートルです。
マイクロメートルはかつて「ミクロン」と呼ばれたことがあります。しかし記号が「μ」と同じであり紛らわしい状態になっていました。マイクロは100万分の1という意味の「接頭辞」なので長さだけに使用されるものではありません。そこで今から55年前に国際的な単位の基準で「ミクロン」が廃止されました。
日本の計量法によってミクロンの使用が禁止されたのはかなり遅く25年前です。計量法という法律は国の法律の中ではかなり上位に位置付けられる重要な法律です。貨幣の単位や長さ、重さの単位を人々が勝手に決めると大変な混乱が生じるため、単位の規制は非常に重要です。尺貫法やヤード・ポンド法の使用は禁じられていますがミクロンも使用禁止です。少なくとも、公式の取り引きや教育、報道などの公の場では使用できません。(数日前、NHKテレビで使用された図表の中にミクロンの表記があり、ちょっと驚きました)
ヒトの毛髪の断面の大きさは、およそ100マイクロメートルです。毛髪は肉眼で見え、束になるとふさふさですが、1本ずつを見るとかなり細いことは確かです。空気中のゴミや埃の大きさを考える時に、毛髪が100マイクロメートルというのは分かり易い指標になります。スギ花粉は約30マイクロメートル、小さいです。
大気汚染物質として近年議論されるようになったPM2.5はおよそ2.5マイクロメートルの微粒子の総称です。工場や自動車の排ガスなどに含まれていますが、天然のPM2.5もたくさんあります。森林などが煙って見える時、かなりの量のPM2.5が放出されている可能性があります。この大きさの微粒子は、非常に小さいため吸引すると体内深く入り込むため健康被害に注意が必要です。
かつてはディーゼルエンジンからの煤煙が大きな問題になっていましたが、現在はガソリン直噴エンジンから出るPM2.5の方が大きな問題となっています。

細菌や麹菌などは約1マイクロメートルの大きさです。アレルゲンとして問題になるダニの死骸などもこの大きさです。毛髪の100分の1の大きさなので肉眼では見えません。

ウィルスや煙は0.1から0.01マイクロメートルの大きさです。線香やタバコの煙は肉眼で見えるような気がしますが、これは大量の微粒子が集まっているためであり、煙が拡散してしまうとひとつずつの粒子はもう見ることはできません。空気中のウィルスは煙ほど多くはないので全く見えません。