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わが家の車ホンダライフ360
ホ ンダ・ライフ(昭和47年型4ドアデラックス、色はシルバー)
記事を書いた日付:2004年 3月
今 (2004年)の軽自動車よりもずっと小さなクルマ。

幅1295mm,長さ2995mm, エンジン排気量356cc。
最高出力30PS/8000rpm、トルク2.9kgm/6000rpm

サトタクが生まれるずっと前、北九州市にいるときに乗っていました。

こんな小さな車でも、首都高速道路や日光いろは坂を走ることができました。
首都高速道路もまだがらんとしていました。
今は茨城県に住んでいるので国 道6号線(水戸街道)をよく走りますが、このライフに乗っていた当時とあまり変わりがありません。道路は少しも広くならないのに日本車はどんどん大きくなってきます。

この頃の軽乗用車は8ナンバーでナンバープレートサイズも2輪車並みでした。なんといっても車幅が狭いのです。
燃費は街の中でリッター18kmくらい。最もよい燃費はリッター30kmまで。
ハイテクは何もないのに、今の車に比べたら軽いのですごく燃費がよいのです。
タイヤ・ホイールは英国のミニと同じ10インチ。 写真のライフは145SR10のラジアルタイヤに替えてあります。標準はホワイトリボンのバイアスタイヤです。リヤのリーフスプリングが見えます。

■ホンダライフSAのエンジンEA
●エンジンは水冷2気筒4サイクル。



当時の大衆車の多くがOHVエンジンの頃にOHCエン ジンです。
しかもアルミ製エンジンでカムシャフトはコクドベルト駆動(金属チェーンではなく後にタイミングベルトと呼ばれる)です。その後、横置きエンジン によるFF車だとか、電動冷却ファンなどが当たり前になってきますが、トヨタなどの大メーカーがこのような先進メカを大衆車に採用するのは、10年以上も 後のことになります。
革新的なメカは、排気量が小さく、エンジンに余裕のない軽自動車が「さきがけ」ることがとても多いのです。
当時、ほとんどメーカーが2サイクルエンジンを使っていました。それは4サイクルエンジンと比べると同じ排気量では、トルクが非常に大きいためです。
毎回点火するエンジンと2回転に1回では勝負にならないのです。しかし2サイクルエンジンには可動バルブがないため、排ガスの制御や燃料の無駄を 抑えることが難しく、特にオーバーヒートするとエンジンが変形しやすい(シリンダーに掃気ポートなどがあるため)など欠点もあります。
何と言っても上り坂などでは白煙を噴いていくのでまわりが迷惑することもあります。全部の車がそうだという訳ではないのですが、燃費もよくないのが圏点でした。
当時4サイクルのホンダと呼ばれた本田技研工業は空冷のN360から水冷のライフまで4サイクルエンジンです。2サイクルに比べて3割もトルクが ないエンジンでホンダが出した回答が高回転エンジンです。我家のライフにはタコメータがありませんでしたが、友達のホンダに乗ると分かるのが毎分7千回転 から、1万回転までの間でひゅんひゅんと軽快にまわるエンジンだということです。
これはもうモーターサイクルのエンジンのようなものなのですが、乗っていて振動やストレスを感じることはありません。他の車が4千回転くらいで 回っている感覚で、もう9千回転くらいは楽にまわるのです。おかげでスズキやダイハツの2サイクルエンジンの車と同じところを走っても置いていかれること はありません。

オールアルミ製のエンジンは、なんと180度クランクです。2気筒なので同時に点火しデストリビュータがないのです。これには驚きます。
エンジンルームをみてコイルからいきなりハイテンションコードが出ているのです。もちろん4サイクルなので片方のプラグは圧縮行程ではないところ で無駄に スパークしているのですが、デストリビュータがない分故障もしにくい。こんな変わったエンジンなのでエンジンはカウンタ・バランサー付きでです。大衆車で はこの10年後くらいからサイレンとシャフトだとかバランサーなどが出てきますが、2気筒しかなく特殊なクランクを持つライフにはもうこの時からクランク と逆転するバランスシャフトというものが使われているのです。
 ●エンジンまわりのメカ

ラジエターのファンは電動ファンで、これも当時ではとても珍しいものです。日産 チェリーは横置きのFFですが、ファンはエンジンでまわしていたのでラジエターは横にありました。スバルのFF車は縦置きエンジンなのでやはりファンをエ ンジンでまわしていました。軽自動車は空冷の車が多かったので、ライフのように普段はラジエターに風を送らず、渋滞などで水温が上がったときだけ電動ファ ンをまわす、というのは非常に珍しいものです。

また当時の乗用車の燃料ポンプはエンジン駆動の機械式が主流でしたが、ライフは電磁ポンプ です。エンジンルームにポンプがないのでオーバーヒートによるベーパーロックの心配がありません。エンジン周りの様々な装備をみていくと、トヨタの大衆車 に比べておよそ15年から20年くらい「さきがけ」ていたように思います。
■その他の装備

エンジンと居住性に気を使った小さな車ホンダ・ライフ には、それ以外の部分ではぜいたく装備や無駄な部品はほとんどついていません。

当 時の等速ジョイントはまだあまり性能が十分でなかったのか、前輪の切れ角度はわずかなものでした。ライフの全長は3メートルちょうどなのに最小回転半径は 4.4mもあります。これはサニー1000が3.9mであったことを考えると、とてもおおまわりだということになります。何と言っても他のFFでない軽自 動車が非常に小回りがきくので、うっかりそのつもりで走ると思わぬところでUターンができなかったりします。

足回りはあまりお金がかかっていませんが、フロントはマクファーソン・ストラットという当時ではあまり多くないタイプ。ステアリングはラック&ピニオンで、これはボール・ジョイント型が多い中では、どちらかというとスポーツタイプの車に多い型式です。
後輪は独立懸架ではなくリーフリジッドです。まるでトラックのサスペンションのようですが、何とあの117クーペもリーフスプリングだったと思います。

変速機が4速までです。ライフツーリング(2ドア)はツインキャブエンジンで5速の変速機がありましたが、最初に発売された4ドアは4速ギアです。当時 は、ほとんどの車が4速あるいは3速のギアでした。

ブレーキはドラムブレーキで真空倍力装置はありません。何と言っても車体が軽いので人間の足で十分に止めることが出来ます。
パワーステアリングが当然ありません。

室内を見るとわずか全長が3mしかない車とは思えないほどの広さがありました。これはもうマジックとしかいいようがありません。
ただ横幅はないので助手席の人が協力しないとシフトレバーの操作が大変です。メリットとしては運転席から助手席の窓を開け閉めできます。手を伸ば せばウィンドウレギュレータ・ハンドルに簡単に手が届くのです。集中ドアロックなくても全部のドアのロックボタンに簡単に手が届きます。
シートは日本車なのでこんなに小さな車でもきちんとリクライニング機構がついています。ヘッドレストやシートベルトもついていますが、残念ながら3点式の シートベルトになったのは翌年のシビックからです。

ウィンドウ・ウォッシャー液は手動ポンプです。同じホンダの軽自動車でもZなどは電動ポンプがありましたが、「大衆軽乗用車」には手動ポンプでも十分でし た。なんといっても故障しません。
ハンドルを握ったままで操作できるのは方向指示器のレバーだけです。
ワイパーもヘッドライトもウォッシャ-もスイッチがダッシュボードの上です。

チョークボタンもあります。
馬力がないので頻繁にギアチェンジが必要ですし、当時の車は、片手をハンドルから離さないとほとんどの操作できないのです。
パーキングランプとハザードランプはこのライフからは装備されるようになりまし たが運転席の右下の奥にあります。これはやはり緊急用ということで間違って触らない位置にあると思うのですが、ハンドルから手を離さすにほとんどの操作が 可能な2000年頃の車に比べると、「機械を操作する」楽しみはあったかも知れません。

ヘッドライトは、当時としては当たり前のシールドビーム方式です。
これはフィラメントが切れたら電球ではなく、ライトをまるごと交換するものです。とても 不便ですし、何と言っても暗い。
電球交換方式はヨーロッパ製のハロゲンランプしかありません。当時はハロゲンサイクルランプをヨーソ球とも呼んでいて、電球もライト本体も非常に高価でしたが、ライフにはシビエのランプを取り付けました。光軸調整は前面から行う簡単なものです。
ランプ本体も前面から力を入れて回転させれば簡単にはずれるものですが盗まれることはありませんでした。

タイヤはラジアルタイヤに交換しましたが、これも当時としては珍しい方です。何と言っても九州では高速道路ができたばかりでした。

車幅わずか1.3mの超小型 車
英国のミニと比べるとこの全幅の制限が日本の軽自動車の難しいところ
全長はジャスト3メートル
それでもホールベースは2mを越えて軽自動車最長。
キャロル以来の4ドアも当時はライフだけ
空冷スバルR2と並んだ写真
ホンダ・ライフとスバルR2は21世紀になって
新たな軽自動車として復活します。
ライフはFFのまま、
R2は空冷のRRから水冷のFFに変わりました。
愛車DAXホンダと6輪族
2台あわせても400ccちょっとしかありません。
この写真のライフはバンパーやウィンドウサッシが
マットブラックになっています。
自分で塗装したものです。
オリジナルのイエローをCB750のブルーメタリックに 全塗装してあります。
四輪と異なって二輪の塗装はマスキングが大変なので、サスペンションやエンジンなどを一度ばらしてフレームやサスペンションを塗装してあります。
父親の新規格サイズのスバル・レックス
車幅が100mm広がったのでとてもワイドに見えます。
スバルはRRでクーラー付き、ホンダはFF

ホンダ・ライフのカタログ諸元

ホンダライフ
4ドアDeluxe
ホンダライフ
2ドアツーリングGS

ホンダSA ホンダSA
全長(mm) 2,995
全巾(mm) 1,295
全高(mm) 1,340
軸距(mm) 2,080
輪距(mm)
1,130


1,110
最低地上高(mm) 1,65
車両重量(kg) 510 495
定員(人) 4
客室内寸法(mm) 長さ 1,,660
1,120
高さ 1,130
エンジン 水冷直立並列2気筒OHC
(レギュラーガソリン使用)
総排気量(cc) 356
内径×行程(mm) sss67.0×50.6
圧縮比 8.8 9.0
気化器型式と数 1コ
CV型2コ
最高出力(PS/rpm) 30/8,000 36/9,000
最大トルク(kgm/rpm) 2.9/6,000 3.2/7,000
燃料消費率(km/L)(60km/h) 28km/L
登坂能力(tan) 0.31
最少回転半径(m) 4.4
制動距離(m) 13.0(50km/h)
最大安定傾斜角度 左右 46
燃料タンク容量(L) 26
始動方式 セルフ式
潤滑方式 圧送式
オイルポンプ型式 電磁式トロコイド式
オイルタンク容量(L) 3.0
クラッチ型式 乾式単板ダイヤフラム
変速機型式 常時噛合式フルシンクロ
変速機操作方式 フロアチェンジ式
変速比 一速 4.700(ドグ)
二速 2.846 3.166
三速 1.833 2.187
四速 1.272 1.550
五速
1.173
後退 4.847 4.758
最終減速比
5.429
カジ取り型式 ラックピニオン
ブレーキの種類及び型式 油圧リーディングトレーニング

油圧リーディングトレーニング
懸架方式 マックファーソン式
リジットアクスル半榾円板バネ式
緩衝器型式(前/後) 前後/筒形複動式
タイヤサイズ 5.20-10-4PR 145-SR10