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新・漫画ガスの話 71

作成日2020/11/04 更新日2022/04/09 コメント2023/07/25
Fガスの科学/原子・分子の話 分子の実在

今では誰もが信じている原子や分子の存在、科学的にそれが実証されたのは、わずか100年前のことでした。

マッハ数で知られるマッハ、自然科学と人間の心理学がごっちゃになったような哲学の持ち主です。
ほとんど全ての既存の科学の理論を認めず、ニュートンの絶対空間・絶対時間の概念を否定したことはアインシュタインの相対性理論に大きな影響を与えたと言われます。
しかし、マッハの哲学は原子論や分子の存在も否定、原子や分子の実在を前提とした多くの科学者達を激しく攻撃し続けました。
マッハと同じく分子論に強く反対していたオストワルドですが、アインシュタインによるブラウン運動の理論とこれに基づくペランの実験結果を見てから、分子の存在を認めることとなり、転向しました。後にファント・ホッフやアレニウスとともに物理化学という新分野を確立する立役者となりました。分子の存在を認めることによって、古来より錬金術などとともにあった怪しげな「化学」は、近代的な科学としての化学に発展していきました。ゲイ=リュサックやアヴォガドロは分子の存在を前提として化学を組み立て、ボルツマン、マクスウェルなど多くの物理学者は分子の存在を前提として熱力学を構築してきたので、19世紀末には、分子の存在はほぼ疑いないと思われていたのですが、やはり科学的な実証は非常に重要な出来事でした。

しかし、マッハはペランの結果が示された後でも、分子の存在を生涯認めることはありませんでした。
また、マッハに追い詰められたボルツマンは、ペランの結果を見ることもなく、自らの命を絶ってしまい、世界は偉大な天才を失いました。